植物油: ますますややこしく、危険なものに…。
|油より種
体調が良ければ、自然農をやって自給自足しようって考えていた私は、種を圧搾して油を取ろうと思ったものでした。それで圧搾機を買ってごまとか大豆とか椿の種とかやってみようかなと…。しかし、よく調べてみると…とても時間がかかり…その割に少ししか取れないってことが分かったんです。もし、私が一年分の油をこの方法でとったら絶対に人に売ったり、譲ったりしないだろうって思いました。それほど大変な作業だと分かったからです。
よく考えてみると…種の中に油の成分が含まれているのだから、わざわざそこから抜いて食べなくてもいいような気になったのです。そう。そのまま種を食べればいいという結論に。
自然の生き物を見ていると、食べ物からわざわざ油だけを絞り出して食べる生き物がいません。そのまま取って種を食べるなら、種の中にある無限の栄養と命が体に入ってくるのに…。油を絞るとなると、大切な栄養や命を、ゴミにして燃やしてしまうことに…。しかも、一粒一粒、圧力をかけて絞り出す…。バカなんでしょうか?人間って!!
それで最近は、ごまをご飯にかけたり、野菜にかけたりして食べています。あと、大豆などをご飯と一緒に炊いたり…。
このような生活をすると、ほとんど油が要らないので、無農薬の菜種やオリーブを圧搾した油を買うようにしています。あんまり油を使わないので、他の人から高級な油だと思われるような油でも難なく買うことができます。
私の場合、野菜いためや卵焼きをする時ぐらいにしか使わないので…。普通の人よりも油にお金をかけていないかもしれません。わたしは、油を買う場合は…大きい瓶に入ったものより、小さい瓶に入って物を買うようにしています。それは、油は酸化しやすく…その油を使うと肝臓などに負担をかけるからです。ですから、油を購入する場合は、どんなにいい油でも小瓶で買うようにしてください。
|植物油の歴史
世界中のあらゆる種族が何世紀にもわたり、様々なやり方で油を絞ってきました。種子や果実、穀物から、単純で伝統的な機械でわずかの油をとるのがあたりまえでした。しかし現代は、油もほかの食品同様大量生産されることになり、物理的に“絞る”ものではなく、大がかりな機械で、数々の化学薬品を使い、それらの化学反応によって化学的に油を“抽出”するものになってしまったのです。
下の枠内はこちらから転載 → http://www.abura.gr.jp/contents/shiryoukan/rekishi/rekish01.html
こちらのサイトでは、枠内の文章以外にも…油について詳しく書いてありますので‥是非参考にしてください。
エジプトから地中海へ
油の歴史は,植物油の中では,特にオリーブ油と胡麻油に関して,古い記録が確認されている。 『旧約聖書』冒頭の「創世記」には,大洪水の時, ノアが方舟から一羽の鳩を飛ばし,その鳩がオリーブの葉をくわえて戻って来たことで,水が引いたことを知る記述がある。 オリーブは,今から5000年ほど前,紀元前3000年代には, エジプトを中心とする中近東世界で栽培されていた。 古代エジプト人は,死者の魂は必ず帰って来ると信じ,復活の日に備えて,高貴な人物の遺体を,ミイラとして保存した。そのため,腐敗を防ぐための香料に関する豊富な知識と技術を蓄積 するに至ったのである。 香料は,ミイラづくりだけでなく,種々の宗教儀式や日常生瀬にも広く使われていた。墓の壁画には, 宴会に出席した人々の頭の上に香料の塊が乗せられている場面がしばしば描かれている。 香料の主原料は油である。 香料に最も適した油は, 今日では顧みられることのないバラノス(バラニテス,バルサムとも)油で,バラノスの木は当時スーダンやエチオピアには広く自生していたが,エジプトでは珍しく,高値で取り引きされたという。香りが強く,最も粘性が低い特徴がある。 これに次いで適するのが,新鮮なオリーブ油とアーモンド油とされる。ラムセス三世は, 王家専用の油畑を持ち,オリーブを栽培していた。しかしエジプトのオリーブは品質が悪く,実を食べるのが主用途だったといわ れる。油分が少なかったか,搾油法が悪かったかは定かではない。 エジプト王国は,アジアの従属国に命じて,オリーブと胡麻の油 を貢ぎ物として提供させた。後には,それでも足りずに金を払って輸入もした。ただし,オリーブ油に関しては,エジプト人は, ギリシャやレバノン,シリアの人々ほどの愛着は持たなかったともいわれる。 香料用の油としては,他にワサビノキ油,ヒマシ油,アマニ油,サフラワー油などが使われた。 近年発掘された資料の記述によると 油は品質によって等級が分かれ,特級の柚には,甘い油,白い油,緑の柚,赤い油,樹脂の甘い油などがあった。 主な搾油の場所は, エジプト国内とシリアであった。 古代エジプトでは,油は香料の他,灯りとして,また医薬品・化粧品としても幅広く使われた。食用もわずかにあった。 医薬・化粧分野もミイラ技術の応用が利くエジプト人の 得意分野であり,軟膏,女性器用座薬,洗顔料,しわとり液,包帯薬,駆虫剤などに加工された。 プトレマイオス朝(紀元前350〜同30年)時代になると,油が国家の財政に影響を与えるほどになり,国家が油の生産と販売を全て統制することとなった。 主な油脂原料の作付け面積は国家が定め,種も国家が支給した。 牛や羊などの 動物油脂を植物油に混入することも固く禁じられた。 大量の灯明を必要とする神殿 には自己搾油を認めたが,それを外部に販売することは禁止された。 この法律は, 歩留りが良く,当時量産されていた胡麻,リシナス,カータマム,コロシンス,アマニの5種に適用された。 オリーブ油は,エジプトでは主流の油にはならなかったが, 地中海世界に伝えられると,食用油として急速に普及し,オリーブ油文化圏とも呼ぶべき栽培・使用地域を形成した。 オリーブ油を西方世界に伝えたのは,世界を股に かけて交易をしていたギリシャ人・フェニキア人だったといわれている。 紀元前3000年までには,既に地中海のギリシャからスづイン,北アフリカへかけての地域では, 風車を使ったオリーブの搾油が行われていた。 古代ギリシャでは,オリーブ油は“液体の黄金”と呼ばれ,他の油脂とは区別されていた。オリーブ油は三等級に分けられ,一級と二級は食用に,三級は灯りに使われた。 古代ローマでも,紀元前1000年代からオリーブ油が食用油の主役となり,バージンオイルが最も良い油とされた。 キリスト教社会では,オリーブ油が洗礼の際に用いられ,また死者の顔にも塗られる。この面からも,他の油とは違う 特別の油という意識が維持されている。 地中海沿岸諸国では,今日でも食用油の中心は オリーブ油であり,オリーブ文化は5000年の長きに渡って伝えられている。 |
|油の抽出法
1.採油
石油から作られたノルマンヘキサンなどの有機溶剤で、油をほぼ100%溶かし出します。ノルマンヘキサンは比較的強い急性毒性があり、多発性神経炎、肝機能障害といった慢性毒性も指摘されています。
ノルマンヘキサンなどの加工助剤は、最終的に食品に残らないよう除去が義務づけられていますが、完全に除くことは不可能だと指摘されています。
2.脱ガム
とりだした油には、ガム質やリン質が含まれています。これを、リン酸、クエン酸、ショウ酸などで除去します。
3.脱酸
カセイソ−ダなどでアルカリ処理を行ないます。
4.脱色
漂白剤として、活性白土という土を加えます。これは研磨剤などの原料にもなるものです。
5.脱臭
230℃〜240℃の温度で処理します。かつてはPCBが使われたこともあります。このPCBが製造中の油にもれ、数多くの中毒患者を出したのが、有名なカネミ油症事件です。現在はPCBは使われていませんが、カセイソ−ダなどいろいろな劇薬が使われています。こうして、化学的に精製された油ができあがります。
以上のような過程で、必須脂肪酸などのだいじな脂肪酸は変質し、まれには有害な物質になることもあるそうです。多くの化学工程を経る中で、脂肪酸の分子構造が変化してしまうということが最近わかってきています。
また、そうして変化した脂肪分子が、必須脂肪酸にとってかわることで、必須脂肪酸が構成の手助けをしている細胞膜の構造も変わり、細胞自体の本来の生体機能への影響が心配されています。やさしくいえば、からだの免疫システムに様々な変調がおき、アレルギ−や各種疾患がおきることの原因のひとつではないか、ということです。
また、本来油の中に含まれる天然のビタミンEが失われるため、発ガン性の高いとされているBHAやBHTといった合成の酸化防止剤が新たに添加されます。現在、市販されている植物油のほとんどは、こうしておよそ食べ物とは思えない化学的工程をへてできあがったものです。
また、原料の大豆や菜種も、ほとんどを輸入に頼っているのが現状です。さらに、最近ではもっとコストをさげるため、遺伝子組み替えをされた大豆、菜種が原料として輸入され始めました。効率の良さ、低コストとひきかえに、栄養も失われ、味も風味もなくなった油、さらにこうして化学的に油を抽出されたあとの大豆カスは“脱脂加工大豆”と呼ばれ、これが醤油の原料になっています。
|恐ろしい業務用
飲食店や惣菜屋などで用いられる業務用植物油や、スナック菓子、インスタントラ−メン、ケ−キ用のクリ−ム、コ−ヒ−用のクリ−ムなどなど、様々な加工用に用いられる油です。
これらは、さらにコストをさげるために、家庭用に用いられるような菜種油や大豆油ではなく、安価なパ−ム油やヤシ油を原料にしています。これらは臭いも色も強いため、本来は食用に値するものではありません。そこで一般には家庭用の油よりさらに強い化学的精製がされています。
またアイスクリームなどに使われているココナツオイルは、アイスクリームの舌触りをよくするため、ココナツオイルに水素が添加されています。そのため逆に健康を害する油になっていますので注意しなければなりません。
|健康にいい油
最近、体にいい油と言って宣伝されているものがあります。とくにえごま油は、必須脂肪酸を含むとあって人気です。ですが、えごま油は酸化しやすい為瓶の封を開けたら2カ月以内に消費しなければなりません。ですから、そんなに必要なくても、頑張って毎日摂取しなければ損した気分になります。ですから、必要以上に油を摂取してしまうわけです。どんなに必要な油でも、毎日摂取する必要はないのではないでしょうか。摂り過ぎは体にも自然にも負担をかけます。
油はたくさんの実から少量しかとれません。油を摂るのはとても大変な作業です。その事を考えると‥やはり、えごまは、油より「えごまの実(無農薬)」を料理に使って食べるのが一番理にかなっているのではないでしょうか。
しかし、どうしても油を使いたいという場合は、「無農薬」で「圧搾」した安全なココナツオイルやオリーブオイルがお勧めです。なぜなら、これらの油は、酸化しにくい油なので、火を使う料理にも気をつかわずに使えます。
参考にお勧めの油を下の枠の中に書いておきました。
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余談ですが、油を体に塗ってマッサージする方がいますが‥オイルマッサージのあと体調を崩す人が多くいます。たぶんそれは、油の膜が皮膚を覆い皮膚呼吸を妨げているからだと思います。このようなときは、体を石鹸で良く洗ったあとホワイトクレイ(水でドロドロに溶いたもの)を体に塗ってマッサージし、体を覆うオイルを洗い流してください。クレイをつけて洗い流す事を数日続けていくと‥気分良くなります。こんな体験をした方は参考にしてください。種から油を抽出することが不自然なのですが、それを体に塗ることも不自然なのではないでしょうか。
|まとめ
生き物は、採って食べるという至ってシンプル。
だから、無駄がない。
油もわざわざ絞らなくても、ごま、ピーナツ、大豆…など、そのまま食べれば無駄がない。
食べ物には油以外にも栄養が含まれているのだから。
それに、油を食物から絞り出そうとすると…。圧搾機が必要。労働が必要。それを売り買いするとなると、瓶が必要。段ボールが必要。トラックが必要。トラックを動かす石油が必要。…そんな感じで無駄なものが増える。
エコノミーかもしれないが、決してエコロジーとは言えない油。労力の割に少ししか取れない油。だから、毒を混ぜて大量生産することで、安く油が売られる。必要もなかった油。こんなややこしいことをしてまで、危険な油を食べないといけないとは…。
私の結論は…。なるべく「ごま」や「ピーナツ」や「大豆」そのものを食べるように心がけたいと思っています。
|参考にしたサイト
参考にしたサイト
⇒http://www.lohasworld.jp/yomimono/abura.html
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下にCMが表示される場合がありますが、このブログと関係ありません。
- by 白鳥沙羅
- 2015.10.25 Sunday
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- 08:21
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