|アメリカの言う自由
下の枠内の文章中に「私たち漁師が、命を懸けて内部被爆の恐ろしさを伝え警告したのに、アメリカ政府は自由諸国を守るための実験だから国際法にも違反しないし、被害に対しての補償もしないと言って67年まで実験を続けました。」とあります。
漁師の人たちが命をかけて訴えているのに…全くその声が届かないアメリカ。本当に不愉快になります。多くの人を犠牲にする水爆実験をして「自由諸国を守る」と言う意味が分かりません。自由の国アメリカを作るために、先住民をあっけなく殺すのですこともいとわない国です。「自由諸国を守るため」ではなく、「自由に振る舞える自分の権力を守るため」って言うのが真実ではないでしょうか。
実は、私の伯父と叔母は原爆で亡くなりました。この時も、「原爆を投下したのは早く戦争を終わらせるため」という、意味不明な理由からでした。みんな平和が好きだった。みんな戦争に行きたくなかった。戦争に行くものも残るものも、悲劇。アメリカは、一般国民を犠牲にする強硬な手段(原爆投下)で戦争を止めさせる力があるんだったら、戦争が始まらないように阻止しするべきではなかったでしょうか?
戦争は、支配者しか始められないのです。勝手に始めて勝手に終わらせる。多くの人の血を流す。戦争をコントロールできるんだったら…それこそ、「支配者」ってこと…。
以下の文章を読んで、被爆国でありながら、第五福竜丸に対しても無関心だったと言う事を反省しました。今回の福島の出来事も…なかったかのように過ごしてはいけないと思います。
|被爆者は訴える
↓以下の記事は「法学館憲法研究所」『原子核兵器の全面廃棄を!― 第五福竜丸の被爆者は訴える』から転載http://www.jicl.jp/hitokoto/backnumber/20110228.html
第五福竜丸の被爆者は訴える
大石又七さん((第五福竜丸元乗組員・ビキニ水爆実験被爆者)のことば
私は今から57年前(1954年)の3月1日、アメリカ軍が太平洋・マーシャル海域のビキニ環礁で行った広島型原爆の1000倍15メガトンという巨大な水爆実験に遭遇し、被爆しました。
その海域でマグロ漁をしていた私たち第五福竜丸は、爆発と同時に作り出された27種類もの「死の灰」放射能を大量にかぶり、23人の乗組員全員が被爆しました。これまでにガンなど同じ病気を発病して半数の14人が働き盛りの40・50代で亡くなっています。私もガンを発病し、奇跡的に助かりましたが第一子は死産で奇形児でした。
そして今も肺の中には腫瘍があり徐々に大きくなっているし、気管支炎、不整脈、白内障で苦しみながら臭覚も消えています。核爆弾が作り出す「死の灰」は、たくさんの病気を生み出します。核実験で被爆した日本の漁船は延べ1000隻に及びました。
私たち漁師が、命を懸けて内部被爆の恐ろしさを伝え警告したのに、アメリカ政府は自由諸国を守るための実験だから国際法にも違反しないし、被害に対しての補償もしないと言って67年まで実験を続けました。
日本政府も同じように国会答弁で、アメリカの核実験には賛成で協力する、国際法にも違反しない、膨大な被害額も見舞金だけでいいといってアメリカからわずかな見舞金を受け取り、被害者や被爆者の頭越しに政治決着を結び解決済みにしてしまいました。
事件発覚後わずか9ヶ月です。その時点から私たちは被爆者ではなくなったのです。核実験の反対運動にも政府と繋がった影の仕掛け人たちが上手に圧力をかけながら矛先を変えています。
その結果どうなりましたか。核兵器は2万3000発の実弾となって世界中に拡散し、今では十数カ国が持つようになり人類を脅かす結果になっています。このとき水面下では中曽根元首相や外務省が原発導入の取引を行なっていました。
アメリカ軍だけでもマーシャル諸島のビキニ環礁とエニウエトク環礁を使って67回の原水爆実験を行い、100メガトンの爆発を繰り返しました。
これは広島型原爆を毎日1個づつ18年間落とし続けた量に匹敵します。爆発と同時に当然、大量の「死の灰」を撒き散らします。
1960年代にガン患者が世界で急増し、日本でも死亡率のトップはガンで年間35万人だと言われています。
大気圏に吹き上げられた強力な「死の灰」は、雨や雪に混じって地球上に降り注ぎ、あらゆる動植物を汚染しました。太平洋に落ちた「死の灰」は魚や海の生物を汚染しています。
大量の海水で拡散されるから大丈夫と発表されたが、それどころか魚たちの食物連鎖で何千何万カウントに濃縮されて私たちの口に入ってきたのです。「死の灰」の中には何十年、何百年経っても消えないものもあり、まだまだ続いていくと思います。これは20世紀最大の地球汚染ではないでしょうか。
このビキニ事件は、福竜丸乗組員が自らの不幸な運命と引き換えに大気圏や太平洋が強力な放射能で汚染されていることを伝えると、人類すべてが被爆者になると世界中から恐れられ、強力な反対運動が起こりました。
ラッセル・アインシュタインの宣言で世界からは6億7000万人、日本では赤ちゃんからお年寄りまで含めて3人に1人という3200万人が署名しています。今では考えられない出来事です。この署名簿は現在も東京の倉庫に保管されています。
2010年4月10日、世界の90パーセントの核兵器を持つ大国の米ロ大統領が、話し合いで30%削減を発表しました。私は大して意味のないことだと思っています。
双方とも核兵器競争で無用な長物を大量に抱え込み、膨大な維持費に困ってのことではないでしょうか。70パーセント残っていれば、他国に睨みを利かすことも出来るし、地球上の人類もまだまだ何回も殺すことが出来ます。
耳ざわりのよい、格好のいいことを口にしたオバマ大統領の演説でも分かるように廃絶は夢のまた夢のようです。核兵器を無くす方法はただ一つ、世界各国も日本の平和憲法と同じように軍隊を持たない、他国を威嚇しない、戦争もしない、と宣言すれば核兵器は必要なくなります。
私は、ビキニ事件のことをどうしても知ってもらおうと、本を書きました。2007年には「ビキニ事件の表と裏」を出しました。2冊目の「ビキニ事件の真実」は、今年の7月以降、英文に翻訳されて出版されます。また、今年中には、なぜ戦争は起きるのか、人類の発生前の時代に遡って考察した4冊目の本を出します。
私は、固定観念で固まっている大人にではなく、学校に行って核兵器と目に見えない放射能の恐怖を子どもたちに話し続けています。地球の裏側まで瞬時に繋がるコンピューターを使って、頭のやわらかい世界の子どもたちが手をつなぎ、話し合い、未来の平和を考えてほしいと願っているのです。(一部割愛させていただきました。)
◇大石又七(おおいしまたしち)さんのプロフィール
1934年、静岡県生まれ。53年から第五福竜丸に乗り込む。54年ビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験で被爆。第五福竜丸平和協会評議員。著書に「ビキニ事件の真実」「ビキニ事件の表と裏」など。
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|お勧め動画
原発事故を経験した私たち、是非見てほしい動画です。
↓「地球少女アルジュナ 青い光」
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